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ハミルトン専用ムーブメント H-10

 

3針の機械式自動巻きモデルに搭載される標準持続時間80時間のムーブメントH-10、 H-30、 H-40。その画期的なロングパワーリザーブは、香箱から脱進機までの一連の運動連鎖の改良によって可能となりました。また、ハミルトンが採用してきた従来のムーブメントの約2倍の標準持続時間を実現しながらも、緩急針を取り除いた特殊な構造を採用したことで、ムーブメントの信頼性と正確性も向上しています。ムーブメントのすべてのパーツは伝統的な素材で構成され、ローターにはブランドの頭文字である“H”やアビエーションをモチーフとした象徴的なカットアウトが施されています。
*ハミルトン公式webサイトより

ハミルトンH-10はスイスのETA社がハミルトンのために改良したハミルトン専用ムーブメントです。
ベースモデルであるETA2824-2との違いを確かめるために一級技能士の店長が私物の時計をバラバラに分解してみましたのでご覧ください。



ETA2824-2とハミルトンH-10を並べてみました。
部品の配列などは同じですが、仕上げの美しさは全然違います。
それではもう少し詳しく見ていきます。



機械時計の心臓部であるてんぷ(振り子)が違います。てんぷは1時間に2万回以上も回転運動をする重要な部品です。
2824-2は緩急針で精度を調整しますが、H-10には緩急針が無く(フリースプラング)赤い矢印の先のネジを回して精度を調整します。



ひっくり返してみると、ひげゼンマイの太さが違います。2824-2は太くて硬そう、H-10は細くてしなやかです。
また、てんぷの振動数が異なります。2824-2は1時間で28800振動ですが、H-10は21600振動と省エネになっています。


ぶら下げてみました。やはりH-10のひげゼンマイはしなやかでよく伸びます。軽い力で動くように改良してあるんだと思います。



次は香箱のふたを開けてゼンマイを見比べてみましょう。やはり2824-2に比べるとH-10のゼンマイは薄くて長いです、そして香箱の歯車も細かくなっています。つまり、力は弱いけどゆっくり長い時間動くように改良してあります。



店長が調べた範囲ではベースモデルのETA2824-2との違いはこれだけだと思います。
・てんぷ一式
・てんぷ上下のルビー穴石の大きさ
・ゼンマイの長さ
・香箱(芯の太さ、歯車の数)
・香箱受け
・角穴車




時計は購入して終わりではなく、メンテナンスが必ず必要となります。
ご購入はハミルトンを知り尽くした弊社から安心の正規輸入品をお求めください。


主な部分の名称

■時計の主な部分の名称

豆知識

クオーツ腕時計と機械式腕時計、なにがどう違うのかご存知ですか?

「そんな事当然知ってるよ」と言う方もいれば、 「毎朝ネジをまかなくても動く時計がクオーツで、ネジを巻かなくては動かないのが機械式でしょ?」なんて方もいるかもしれません。

現在世界で作られている腕時計のほとんどはクオーツで、機械式は全体のほんの数パーセントにすぎません。 いきおい、時計屋さんにはクオーツがたくさん並んでいます。でも、クオーツ腕時計は発明されてやっと30年程しか経っていない時計なのです。 クオ―ツ腕時計が出てくるまでの時計はすべて機械式で、時計と言えば貴重品として扱われたものでした。 というのも現在のクオーツのように大量生産できなかったため、非常に高価だったのです。 クオーツ腕時計の出現で時計は種類、価格、デザイン、機能等の幅がぐんと広がり、私たちにとってもっと身近な存在になりました。

クオーツ腕時計の便利さ、機械式腕時計ならではの魅力。 一体、基本的には何が違うのでしょう?

違いは時計の中のムーブメントとよばれる時間の経過を計る小さな装置です。 クオーツ腕時計は電子回路が針を動かしたり、デジタル数字を表示したりします。 動かすためには電池が必要です。 精度は高く、1カ月に15秒位の誤差しかありません。

一方、機械式腕時計はぜんまいじかけの歯車が時を刻み針を動かします。 ネジでぜんまいを巻いて使う手巻きと、腕の動きが自動的にぜんまいを巻き上げる自動巻きの2つのタイプがあります。 機械式腕時計の誤差は一般的な機種で1日に10秒から20秒位です。

資料提供 スイス時計協会FH

機械式時計(手巻、自動巻)のしくみ

クオーツ時計(電池式)のしくみ

クロノグラフの使い方

機械式時計(手巻、自動巻)のしくみ

機械式時計の中はどんな仕組みになっているのでしょう?

ぜんまい仕掛けの歯車で動いているんでしょ…その通り。ぜんまいのほどけていく力を歯車に伝えて針を動かしているのです。(図-1)

豆知識

香箱車(こうばこぐるま)の中にはぜんまいが入っています。リューズを巻くとぜんまいは強く巻き絞められます。ほどけようとするぜんまいの力が香箱車を回します。香箱車は噛み合っている2番車(にばんぐるま)を回します。同じように3番車(さんばんぐるま)、4番車(よんばんぐるま)、ガンギ車(がんぎぐるま)も回ります。

2番車には分針が、4番車には秒針が取り付けられています。つまり2番車は1時間に1回転、4番車は1分間に1回転するわけです。言い換えれば2番車が1回転する間に4番車は60回転しなくてはいけないわけです。4番車につながるガンギ車は同じ間に一般的な機種の場合600回転します。

豆知識どうやってこのように歯車の回転数を上げていっているのかは歯車の構造を見ると理解できます。それぞれの歯車は図-2のようになっていてカナの歯数は歯車の歯数に比べて少ないのが特徴です。

豆知識図-3のように歯車を隣のカナに噛み合わせて配列すれば同じ軸上の歯車とカナは一緒に回転するのですから歯数の差によって回転数を変えていけるわけです

さて、前に述べたように2番車には分針がついているのですから1時間に1回転してくれなくては困ります。ということは香箱車が1時間に1/6回転してくれれば都合がよいわけです。が、さて、どうやって?ぜんまいはばねですから巻いて手を離せば殆ど一瞬にしてほどけてしまうだろうと想像できますね。ぜんまいがもっとゆっくり、かつ一定した速度でほどけていくようにコントロールするしくみが必要です。その役目をしているのがガンギ車、アンクル、てんぷです。

豆知識

てんぷは上図のように軸を持った金属の輪とひげぜんまいと呼ばれる髪の毛よりも細いうず巻き状のばねとを組み合わせたものです。ひげぜんまいの外側の端を固定しておいて、てんぷの輪を少し回して離すと輪はひげぜんまいの力でいきおいよく元の位置に戻り、さらにその勢いで元の位置を通り過ぎてもっと向こうまで同じくらいに振れ、また戻ってきて元の位置を通り過ぎて振れ、また反対側へ振れるというふうに何回か左右に往復します。このようにてんぷは力を加えると静止していた位置を中心にして周期的に振動します。この動きを利用して歯車の回転速度をコントロールしているのです。

豆知識

まずぜんまいからの力が歯車を介してガンギ車に伝わります。ガンギ車の回転しようとする力がアンクルを動かし、アンクルはてんぷを振動させます。てんぷの振動はアンクルを左右に交互に動かすように働きます。アンクルのその動きがガンギ車の歯車をひとつずつ送っていくのです。時計から聞こえるチクタクはこの時アンクルがガンギ車にぶつかって出る音です。てんぷが1往復するとガンギ車は歯ひとつ回ります。

つまり、てんぷの1往復する一定した振動周期(1往復にかかる時間)が歯車の回転速度を一定にしているわけです。てんぷの振動の周期はひげぜんまいの長さで変わりますから、これをかげんすることで時計の進み遅れを調整します。

ところで時針を回す歯車も必要ですね。

時針は1時間に1/12回転するのですから、分針のついている2番車が1回転する間に1/12回転する歯車があれば良いわけです。

2番車の軸にもうひとつカナを付け、図-3とは逆に下図のよう今度はカナから隣の歯車へと噛み合わせます。

豆知識

いかがですか?時計の仕組みが解ったような気がしてきませんか?

時、分、秒だけでなく月、日、曜日や月齢を表示するカレンダーウオッチ、月末や閏年の修正が不用のパーペチュアルカレンダー、計測機能の付いたクロノグラフや音で時刻を報せるリピーター等にはさらにもっと多くの歯車や部品を組み合わせます。細密で複雑な仕掛けが小さな腕時計の中に納められているのです。時計の中を見ることなどなかなかできないと思われるかもしれませんが、時計ケースがガラス張り(スケルトン)又は。裏側がガラス張りになっていて機械が見える時計もあります。てんぷとアンクル、ガンギ車は忙しく動いていますからすぐに判るはずです。是非一度中を覗いてみて下さい。

資料提供 スイス時計協会FH

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クオーツ時計(電池式)のしくみ

クロノグラフの使い方


クオーツ時計のしくみ

一般的に出回っている電池式の時計のほとんどがクオーツ時計です。
電池の寿命は通常2年~3年ですので電池交換が必要になります。


クオーツ腕時計の中はどんなしくみになっているのでしょうか?

クオーツとはもともと石英のこと。 石英は二酸化珪素(けいそ)からなる鉱物で、石英の透明な結晶が水晶です。 クオーツ腕時計は水晶で作った水晶振動子を時間の調速、つまり1秒を1秒に、1分を1分に制御する装置に使用している時計のことです。 掛け時計であれ腕時計であれ、 時計に正確な時を刻ませるためには一定の周期で振動するものを利用しています。 たとえば掛け時計のふりこ、機械式腕時計のてんぷ などです。 クオーツ腕時計に使用されている「一定の周期で振動するもの」は水晶なのです。

水晶って振動する?

水晶などの結晶には圧力(押す)を加えると一方の表面に(+)電気を、もう一方の面には(-)電気を発生する性質があります。 張力(引っ張る)をくわえた時には発生する電気のプラスとマイナスの面が逆になります(これを圧電効果といいます)。

豆知識

同じように、曲げた時には曲がる方向によってプラスの電気とマイナスの電気の発生する面が逆になります。さらにその逆の現象、つまり、水晶片の両面に電気を加えると伸びたり縮んだりの変形を起こします(逆圧電効果といいます)。

豆知識

例えば水晶片の両面にプラスとマイナスの電気を交互に加えれば、その向きによって伸びと縮みの変形が交互に起こることになります。 これが水晶振動子の振動です。 クオーツ腕時計はこの振動を時間の調速に利用しています。 現在、身の回りにはこのしくみを利用した時計がたくさんあります。 パソコンや携帯電話に時刻が表示されているでしょう。 みんな水晶振動子を利用した時刻表示なのです。

32,768ヘルツの振動

一般的にクオーツ腕時計の水晶振動子は1秒間に32,768回振動します。 どんな水晶も32,768回の振動をするわけではありません。 そのカットや形によって振動の仕方が違い、固有の振動数も違います。天然水晶は不純物が含まれ品質にもばらつきがあるため、クオーツ腕時計に使用する水晶振動子には人工水晶を用い正確に32,768回の振動を起こすようカットしています。

さて、アナログクオーツを例にとってもう少し詳しく説明してみましょう。

アナログクオーツは電池、電子回路(発振回路、分周回路、駆動回路)水晶振動子、 モーター、歯車類で構成されています。


豆知識

豆知識

電池からの電圧を受けて発振回路に電気振動が生じます。 水晶振動子が電気振動の中から32、768ヘルツの振動を捉えて、先に説明した逆圧電効果により振動します。

そのことは同時に圧電効果により32、768ヘルツの電気振動を発生させ、発振回路に取り込ませます。 このことにより発振回路は32、768ヘルツの安定した振動を繰り返します。 この振動数(ヘルツ)は分周回路により1振動に下げられ、駆動回路からモーターに1秒1回のパルス電流として送り込まれます(パルス電流=一定間隔をおいて起こる電気のこと。 瞬間的な電流が1秒間隔で流れる)。 モーターの回転子(ローター)はパルス電流が流れた時だけ一定の角度回転するように作られています。 そして回転する毎に噛み合わせられている歯車の歯を1つ送ります。 その歯車の歯数を60にして秒針を取り付けておけば、秒針が1秒毎にタク・タク・タクとひと目盛りずつ進み、60秒で一周することになります。 ここからは機械時計の歯車のしくみと同じです。 順に分針の取り付けられている歯車、時針の取り付けられている歯車と噛み合わせられて行き、それぞれ針を動かします。歯車のしくみについての詳しい説明は機械式時計のしくみのぺーじをご覧ください。




豆知識

豆知識

豆知識

デジタルクオーツの場合はモーターも歯車も使用しません。 駆動回路からの電気振動が液晶板の数字の各セグメントを点灯して所定の時刻を表示します。

資料提供 スイス時計協会FH

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機械式時計(手巻、自動巻)のしくみ

クロノグラフの使い方

クロノグラフの使い方

クロノグラフ

「クロノ」は『時』、「グラフ」は『描く、記録する』 の意味。 クロノグラフウオッチは経過した時間を記録できる機能を持った時計のこと、言い換えればストップウオッチの役目を兼ねた時計のことです。

アナログ表示のクロノグラフでは、ダイアルの中心に時・分を示す通常の針の他にクロノグラフ用の針が1本、そして、リューズと並んでプッシュボタンが2個ついています。 ひとつのボタンはスタートとストップ用、もうひとつは計測終了後に針をゼロ位置に戻すリセット用のボタンです。

豆知識

クロノグラフ針は1分で一周してしまいます。 クロノグラフ針が何周したのか、つまり、何分経過したのかは、12時位置にある別目盛り(サブダイヤルといいます) に示されます。 このサブダイヤルは30まで目盛られており、30分間の計測結果を表示します。30分計と呼ばれます。

同じように、30分計の針が何周したのかを表示するのが、6時位置にある12時間計です。目盛りは12まで目盛られています。

もうひとつ、9時位置に60まで目盛られているサブダイヤルがありますが、これは通常の秒針です。 スモールセコンドと呼ばれます。

30分計、12時間計、スモールセコンドの配置は機種によって違います。 また、スモールセコンドと30分計だけの機種や、12時間計ではなく10時間計を持つ機種もあります。

スタートボタンをクリックするとクロノグラフがスタートします。 同じボタンをもう一度押すと、クロノグラフ針が止まります。 このスタート/ストップを繰り返せば、中断した動作の計測もできます。 計測が終了したら、リセットボタンを押して下さい。 クロノグラフ針はゼロ位置に戻ります。

豆知識

1分経過すると、クロノグラフ針は2周目に入り、12時位置にある30分計の目盛りが1つ進みます。 30分経過すれば6時位置の目盛りが1つ進みます。

さて、同時に走り出した二人のランナーのタイムを測るにはどうすればいいでしょう。

このような場合にはクロノグラフ用の針が2本ついているクロノグラフがあります。 スプリットセコンドクロノグラフと呼ばれます。 

<スプリットセコンドクロノグラフ >

2本のクロノグラフ針は、ゼロ位置にある時はぴったりと重なっていますからまるで1本のように見えます。 先ほどと同じ様に1のボタンを押してスタートさせると、2本の針はそのままぴったりと重なって進みます。 最初のランナーがゴールした時、3のボタンを押します。 すると1本だけが止まります。 二着のランナーがゴールした時、1を押すと、もう1本も止まり、二人のタイムが示されます。 この2本の針は1本が分かれるように見えるところからスプリットセコンドハンド、あるいは割剣(ワリケン)と呼ばれます。 計測が終了したら3のボタン、2のボタンの順に押して2本の針をゼロ位置に戻します。 

豆知識

スプリットセコンドクロノグラフを使ってたとえば、ラップタイム(トラック競技での一周ごと、水泳コース一往復ごと等のタイム)を記録することもできます。 まず1でスタート。 2本はぴったりと重なって進みます。 ランナーが一周目を通過した時3を押して1本を止め、タイムを読み取った後、もう一度3を押します。 すると針は前を進み続けているクロノグラフ針に一瞬にして追いつき、再びぴったりと重なって進みます。 二周目で同じ様に3で1本だけを止めてタイムを測り、以下同じように三周目、四周目と繰り返して計測すればいいのです。 ゴールしたら1を押して最終タイムを読み取り、2でリセットします。

最初に止まる針は、もう一本の針のところへ一瞬にして飛んで帰るところから、フライバックハンドと呼ばれます。

資料提供 スイス時計協会FH

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